「生物産業界を担うプロフェッショナル育成」:九州大学大学院生物資源環境科学府

コンセプチュアルスキルが開講されました


コンセプチュアルスキルが開講されました。

日 時:平成 23 年 5 月 23 日(月)~ 28 日(土)
受講者:35 名
講 師:割石 博之 支援室長


今年度で 3 回目となりましたコンセプチュアルスキル。引き続き “思考力を磨く” テーマに実施されましたが、今回は新たに「感情と論理」というセクションが追加されました。

【初日】
まずは導入。昨年度に引き続き「記憶喪失になってしまいました!」ゲーム。
詳細は、来年度の授業でも使用するカモしれませんので明かせませんが「ナミビア共和国」という名前を初めて知りました・・・。




割石先生から「推論」の技法を用いながら、コンセプチュアルスキルが普段の研究生活において非常に重要なものであることの説明。そして「なぜ?」を自問することで、解法に結びつく様子を簡単なクイズを通してフムフム、と理解する様子が印象的でした。

【2 日目】
今日は、巷で言われる思考の「技術」についての紹介を前半で行いました。これらの技術は、どれをとっても、自分の中にある “枠” を取りはずす技法と言っても過言ではないかもしれません。私達は普段、自分の中で「OO とくれば XX」というような経験に基づく感覚を使って生活しています。これは非常に有用な感覚です。しかし、こういった「感覚」は、時として疑うことを忘れてしまい、判断を誤ってしまうことがあります。ケースバイケースで、こういった「感覚」といった枠を取り払う技法が必要となるわけですが・・・。

また、ゲーム。前置きがあってー・・・・・・。
??? と学生たちは頭に「?」マーク。
正解に気づいた学生たちは、つぎつぎ頭に「!」マーク。
自分達の「枠」を意識したクイズであったようで、ちょっとシテヤッタリ顔な割石先生でした。

そして、3 日目の導入として、震災の報道からみるメディアリテラシーについての講義が続きます。

信頼できるものに頼ることができないような「今」起きている事態について、何を判断材料に使用するのか、それを冷静に選び、使うことが出来ることがメディアリテラシーとして必要なのだと学生たちは感じたようでした。

【3 日目】
今日は東日本大震災の現地レポートからスタートでした。連休中に現地に入って感じたこと、現地の様子、どれも生々しいもので、九州の地にいると「東北」が遠くて、肌で感じるものが少ない分、学生たちには衝撃的だったようでした。その後は「私達に出来ることは何か」というテーマでグループワークを行いましたが、これまでのワークと違って、沈黙の多いスタートでした。「出来ること」を思いつけないほどの困惑があったように思います。しかし、ポツポツと誰かが話し出し、実際にやっていることなど、いつの時点で出来ること。など、少しずつワークが進んだ印象を持ちました。




今回の紹介は、あまりにもショッキングな内容を含んでおり、支援室としても授業として取り入れるのか議論の対象となっていました。しかしながら、こういった災害を目の前に「何か」進めていかなければ。という気持ちから、実施に踏み切りました。立ちすくむこと、無力さを感じること、本当に思考が停止して、辛いです。

少しのことでも「できる」ことをやること、これが今私達に必要なことのように思います。ワークの発表では、「ベルマークを集めてます」という実際に行っていることや、「風評被害をなくすために、農学の知識を活かして“食べる”」という行為を行おう、という呼びかけ、「区画整備が始まれば、農地の活用に農学の知識が生きる」という今後に向けた声など、様々なものが挙がりました。私達が出来る事を考える。そして実行する。感情が揺らぐような状況を前に、冷静に動ける大学院生として、そして今後は、農学の知識を持ったプロとして、社会で活躍できますように。という支援室の願いにも似た授業は皆さんに届きましたでしょうか。

【4 日目】【5 日目】【最終日】
ディベートのワークが開始されました!
経験者は、昨年度はチラホラいたものの・・・今年度は 1 名のみ。さてさて、どうなることでしょう。

そして、去年と違うことが、もう一つ。今年は、「スマートフォン」の活用者が多数。1 年でこんなに浸透してる!となんだか、驚きました。今年はテーマの全てが所謂「政策課題」というもので、学生たちは普段と違う分野の論文やレポートなどを持ちよって、メディアの「信憑性」などに注意しながら真剣に取り組んでいる姿が印象的でした。




そして、5 日目と最終日は、いよいよ、ディベート試合。今年度は日にちを跨いで 3 試合です。
審査員は、昨年度コンセプチュアルスキル受講者だった 2 名、支援室、ヒューマンスキルで講師をしてくださった新垣先生、今年度受講者(各試合で入れ替わり)で行いました。

昨年度もそうですが、試合になると、観ている側も「緊張」です。展開がグループ以外は「予測」していくしかありませんので、「立論」後の質疑や、反論、全て試合開始後に組み立てられることになります。ハラハラしながら、見せていただいておりましたが、今年度は “質疑” の飛躍的な上達が見られました。もちろん学生たちは 1 人 1 試合。同じ学生が上達している・・・というわけではないのですが、各自、前の試合での「良かったところ」「もっとこうすればよかったところ」を踏まえて、試合に臨んでいるのが分かり、別の学生の経験を自分のものとしている様子が “質疑” に現れており、感動してしまいました。




振り返りでは、学生たちが自分達のグループや相手のグループに対して冷静に評価している姿を見ることができました。振り返りを行うことで「他のメンバーと同じ感想を抱いていてビックリ!」と共有化することが出来たり、「ディベートのテーマも自分達で選ぶこともしてみたい」という新たな提案や、「どうやったらグループの意見をまとめることが出来ますか?」と質問が出たり。色々な声が聞こえてきたように思います。

講義の最後は『思考とコミュニケーション』としてまとめです。私達が、論理を組み立てるとき、その “目的” を忘れないように、もう一度初日からの授業から簡単にまとめながら、対話する相手を想定し、相手の共感を引き出すために、私たちが気をつけることを考えるまとめとなりました。感情と論理。論理は感情によって破綻しそうになりますが、一方で、論理は感情を牽きつけるものでもあります。論理を考えることで、「なんとなく」抱く私たちの中の「感情」というもの、考えるきっかけにもなったのではないかなと思います。

さて。講義あり。クイズあり。ワークあり。盛りだくさんの一週間の講義でしたが、無事に終了することができました。みなさんに新しい「気づき」。そして、今後のコンセプチュアルスキルを磨く「モチベーション」の助けとなりましたでしょうか。

今回、ヒューマンスキルを担当してくださった新垣先生が、連日、見学(ディベートの際は、審査員まで。)してくださいました。ヒューマンスキルに出席されていた学生は、そこで得た「気づき」をコンセプチュアルスキルで活かすことができたでしょうか。

本プログラムのカリキュラムは全てが繋がっていくものです。全てを受講する、ということは時間的にも難しいかもしれませんが、是非、2 つ以上の授業をとってみてください。そして「前回受講した講義で話していたこと」が活かせるかどうか、自分自身で試してみてください。


さて。次回。
6 月 25 日、26 日は「コミュニケーションスキル」です。




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