生物産業創成学コース 実験講座
生物資源環境科学府副専攻の生物産業創成コースでは、遺伝子工学酵素の花形である PCR 用酵素の製造と製品化に必要な評価法などについて解説しながら、実際に実験室で酵素の調製を体験する実験講座を開きます。
これまで生化学や分子生物学的手法になじみのない学生の参加も歓迎いたします。大学にいる時しか経験できない何かを提供しようと企画したものです。なお、単位認定はありません。
本コース支援室員の石野教授の指導のもと開講いたします。
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日 時:平成 22 年 3 月 16 日(火)〜 18 日(木)
場 所:農学部 5 号館 5 階 蛋白質化学工学分野実験室
内 容:PCR 酵素の製造と評価
16 日(火)
10:00〜12:00 講義
13:30〜17:00 実験
17 日(水)
10:00〜17:00 実験
18 日(木)
10:00〜17:00 実験、結果解説とまとめ
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受講希望の方(教職員の方も歓迎します)は、生物産業創成学コース支援室まで
メールを送付下さい。準備の都合上、なるべく早くご連絡いただけますと助かります。
本講義に対する問合せも、生物産業創成学コース支援室まで
メールでお願いいたします。
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PCR 四方山話(
http://ja.wikipedia.org/wiki/ポリメラーゼ連鎖反応 より)
PCR(ポリメラーゼ連鎖反応:polymerase
chain reaction)は、DNA を増幅するための原理またはそれを用いた手法で、手法を指す場合はPCR法と呼ばれることの方が多い。ヒトのゲノム(30億塩基対)のような非常に長大な DNA 分子の中から、自分の望んだ特定のDNA 断片(数百から数千塩基対)だけを選択的に増幅させることができる。しかも極めて微量な DNA 溶液で目的を達成できる。プロセスが単純で、全自動の卓上用装置で増幅できる。PCR 法そのものや派生した様々な技術は、分子遺伝学の研究のみならず、生理学・分類学などの研究にも広く応用されている。また、医療や犯罪捜査にも大きな役割を果たしている。
シータス社のキャリー・マリスが車でガールフレンドと夜道をドライブ中に、当時すでに知られていたオリゴヌクレオチドと DNA ポリメラーゼを用いた DNA 合成反応を繰り返すことにより核酸の一定領域を増幅することを思いつく。マリスはこの方法を "polymerase-catalyzed chain reaction" と名付け、ネイチャー、サイエンスなどの著名な科学雑誌に論文として投稿したが、掲載されなかった。1987 年にようやく、その論文は Methods in Enzymology 誌に掲載された。
一方、PCR 法自体はシータス社の同僚の手により鎌状赤血球症という遺伝性疾患の迅速な診断手段に応用された。サイエンス誌に "Enzymatic amplification of beta-globin genomic sequences and restriction site analysis for diagnosis of sickle cell anemia" として報告され、オリジナル論文より前に世界の科学者の注目を集めることとなった。
PCR は、当初、大腸菌 のDNA ポリメラーゼIをズブチリシン処理し5'-3'エキソヌクレアーゼ活性を除去したクレノー断片を用いて反応を起こすものが大半であった。この酵素を用いた場合は、二本鎖DNA変性のための温度上昇の際に、DNA ポリメラーゼが失活し、サーマルサイクルごとに手作業でこの酵素を加えなければならなかった。シータス社の研究グループは、この欠点を解決するために好熱性の細菌から得た耐熱性DNAポリメラーゼを用いたPCRを開発し、サイエンス誌に発表した。これにより、PCR 反応の簡便化、自動化への道が開かれ、幅広く応用可能な手法として発展することになった。
このように、PCR 法の応用、発展にはシータス社グループ(当初はマリスも含む)の果たした役割が大きいが、最初にこの方法を着想し、方向性を示したという業績により、1993 年にキャリー・マリスがノーベル化学賞を受賞している。