「生物産業界を担うプロフェッショナル育成」:九州大学大学院生物資源環境科学府

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セミナー・講演会 のお知らせ


セミナーシリーズ「生命科学分野での博士号取得者のキャリアパスについて考える」を開催します


日時:7 月 5 日(火)16:00−17:00
場所:農 1-266
演者:澤 進一郎 博士(熊本大学大学院自然科学研究科・教授)
題目:研究者としての歩み 〜 九大限定 special version 〜


 昨今、大学院博士課程進学者数の大幅な減少による、大学の研究機関としての空洞化が問題視されている。これには、無責任な「ポスドク一万人計画」の犠牲となった研究室の先輩達の姿を見て、より若い学生が博士号取得後の未来に希望を見出せなくなったことが第一の原因であると考えられる。しかし中には、研究者としての道に強く惹かれながらも、博士号取得後の具体的な進路の可能性を知らないがために、漠然とした不安を抱き、博士課程進学に踏み切れないというケースも少なくないと思われる。
 本セミナーでは、生命科学分野において博士号を取得し、さまざまな分野で活躍されているゲストを招き、博士号取得後のキャリアパスの可能性とその問題点について、自らの体験に基づく講演をしていただく予定である。
 本セミナーは博士号取得をテーマとしたものであるが、博士課程進学の予定のない学部生・修士院生の方々にも是非参加していただき、博士号取得後の具体的な進路の可能性を知ることにより、将来の進路の可能性を広げてもらいたいと思う。


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澤先生の来学を機に、先生の研究に関する講演もお願いしました。


日時:7 月 6 日(水)10:30−11:30
場所:農 1-266
演者:澤 進一郎 博士(熊本大学大学院自然科学研究科・教授)
題目:シロイヌナズナの幹細胞機能維持に関わるCLV3ペプチドホルモンの分子機構の解析



要旨:
生まれる前に器官形成が終了し、生まれた後は伸長生長のみを行う動物と異なり、植物は、死ぬまで幹細胞活性を維持し、死ぬまで環境に応答した器官形成を行う。植物の形作りは、幹細胞を持つ分裂組織に依存しているため、この分裂組織の活性やサイズは厳密に、遺伝的に制御されている。CLV3遺伝子は、茎長分裂組織の先端で発現し、12-13アミノ酸のペプチドとして成熟し、細胞外に放出され機能すると考えられている。我々は、人工合成のCLV3ペプチドホルモンに耐性を示す突然変異体を多数単離し、その原因遺伝子の同定を行ってきた。次世代シーケンサーを用いたゲノムリシーケンスにより、効率的な原因遺伝子同定を行っている。
 本セミナーでは、その現状に加え、ペプチドホルモンの成熟過程に関わるペプチダーゼについても紹介したいと考えている。

参考文献:
Kondo et al., 2006 Science(CLV3ペプチドの構造決定)
Miwa et al., 2008 PCP(CLV3の受容体SOL2の単離)
Knoshita et al., 2010 Development(CLV3の受容体RPK2の単離)
Betsuyaku et al., 2011 PCP(生化学的手法によるCLV3の受容体の組み合わせ解析;CLV3受容体のCLV1下流でMAP kinase cascadeが機能する)



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