「生物産業界を担うプロフェッショナル育成」:九州大学大学院生物資源環境科学府

異文化交流の醍醐味(海外インターンシップ)

ドイツでのインターンシップを終えて

修士 1 年 嶋岡 隆行



私は 8 月 1 日から 9 月 30 日までの 2 ヶ月間ドイツのミュンヘン工科大学の Vegetation Ecology 研究室にて研修を行った。私の所属した研究室ではピートランドと呼ばれる特殊な土壌での二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの循環について研究していた。よって私の研修内容は、各地に点在する測定地点に赴き、実際に温室効果ガスを測定することであった。温室効果ガス測定のデータは長期的に観測しており、ここでの研修では私独自のテーマを与えられるのではなく、一テクニシャンとして調査に関わるという形であった。

研修期間中に私が行ったことは主に 3 つあり、フィールドでの温室効果ガスの測定と、フィールドで得られたデータの解析、測定用機器類の作製および修理であった。二酸化炭素の測定は朝 3 時頃から作業に取りかかり日の出前(朝 4 時頃)から測定を開始し、土壌の温度の低下し始める夕方 5 時頃まで連続して行わなければならず、チャンバーと呼ばれる重量 10 kg 近くの測定装置を抱えたまま測定地点を 100 回以上行き来するのは大変な重労働であった。データの解析は、フィールドワークで採取したデータを Exce lデータに変換し測定部分のみを取り出しグラフ化するというものであった。これは慣れると比較的簡単な作業であった。測定用機器類の作製および修理は、その名の通りで作業室にて日曜大工のような仕事を行った。測定に使われる機器類は市販されておらず、どれも手作りで比較的壊れやすかったため、その修理なども行った。

私の研修は、研修分野が私の専門分野から大きく異なっていたため全てが新鮮であり、新たな分野を学ぶ良い機会であった。また、英語を通して業務を遂行したのは今回が初めてであり、良い経験ができたと感じている。また、海外でインターンシップを経験したことで、様々な国籍の友人たちができ、彼らのおかげで充実した私生活も送ることができた。ヨーロッパ各国を一緒に旅して回ったことや夜遅くまでお酒を酌み交わしたことは一生の思い出であろう。他国で生活することは、自分自身や自国について別の角度から見る絶好の機会であり、そこから多くのことを感じ取れるだろう。機会があれば是非これからも多くの学生に体験してもらいたいと思う。


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たいへんな重労働と命を削る程真剣に楽しんだ異文化交流(笑)、ご苦労様でした。

このインターンシップは、嶋岡君が自身で IAESTE Japan(社団法人 日本国際学生技術研修協会)に申し込むことで始まりました。生物産業創成学コースでは、 IAESTE Japan でカバーされない往復の旅費をサポートしました。

IAESTE とは理工農薬系学生のための国際インターンシップを仲介している国際非政治団体です。1948 年以来ヨーロッパを中心に活動を続けており、UNESCO、ECOSOC、ILO 等を諮問団体として現在世界 80 余カ国が加盟し、 4000 社に及ぶ企業の後援を軸に、これまでに 30 万人近い学生を相互に交換してきました。九大も維持会員校として参画しております。留学生担当の中村真子先生も学生時代に IAESTE Japan のプログラムで米国の企業にインターンシップに行ったそうです。

今回は、EU プロジェクトとして実施されているミュンヘン工科大学・植物生態学研究室での研究に参加してきたものです。世界中の多くの国から、それぞれの専門技術を携えた院生達が集い、一つの目的に向かって協働作業を行うものです。出てくるデータの重要さを感じるとともに、異文化交流を身を張って実践してきた点がとてもユニークで、しかも楽しそうでありました。この経験や気づきがこれからの人生に活かされることを祈念します。

生物産業創成学コース支援室長 割石





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